歯とからだの話
2018/07/11

寝たきりの人に訪問診療

食欲がでれば生きる意欲もわいてくる!!

厚生労働省は、80歳になっても自分の歯が20本以上あれば、何でも食べることができ、健康に老後を過ごすことができるということで「8020運動」を提唱していますが、現状は「8005」です。
しかし、自分の歯が少なくても入れ歯を入れて、しっかり食べることができれば、健康で過ごすことも可能です。

口腔ケアはますます大事

脳梗塞や脳血管障害などの後遺症、全身疾患などで、食べたり、飲み込んだりする機能が低下することがあります。飲み込むことがうまくできないお年寄りは、誤って肺に入り込んだ食べ物からバクテリアが繁殖したり、バクテリアを多く含む唾液が肺に入ってしまうことが原因で肺炎を起こすことがあります。嚥下性肺炎あるいは誤嚥性肺炎といわれ、これが原因で死亡する場合もあります。そのため、口腔ケアは大変重要です。

そこで、寝たきりなどで通院できない方のために、歯科医師や歯科衛生士が患者さんの家や施設などを訪問し、治療や口腔衛生指導をする制度(訪問歯科診療)があります。
体力が低下して寝たきりになったお年寄りが、訪問診療で入れ歯を入れると、口から食事が摂れるようになって栄養状態が改善され、体力が回復したという例もあります。体力が回復すると床ずれまで治り、さらに身の回りのことができるようになった方もいます。通院できないために歯科医療を受けられなかった寝たきりのお年寄りこそ、歯科医療の必要があるのです。
ご相談は当医院へお気軽にどうぞ。

口の中を清潔に保ち、しっかり噛める入れ歯を入れる ことで、期待できる効果

①頭や顎の骨、歯と歯周組織の健全性が保たれる
②噛むことで脳が刺激される
③唾液の分泌が促進されることで口腔内が清潔に保たれる
④よく噛むことで満足感が得られる
⑤下顎の位置や動きは姿勢の制御にも関係する
⑥食べること話すことが不自由なくでき、ストレスを防止する。

引用元:
*きれいな歯のつくり方 ごま書房刊 田北敏行
*いい歯健康法 春夏秋冬 かもがわ出版刊 大阪府歯科保険医協会