
「よく噛む」ことは、ただ食べ物を細かくすることだけではありません。実は、体と心の健康に深く関わっています。
最近は、ファーストフードなどやわらかい食べ物を好む人が増え、 昔に比べると噛む回数が少なくなってきたといわれています。
私たちが元気に生きていくためには、食事からの栄養摂取が欠かせません。そしてその食事をしっかり噛むことが、健康を保つ大切なポイントになるのです。
よく噛むことの主な健康効果
①消化を助ける/食べ物をしっかり噛んで細かくすると、胃や腸の負担が減り、栄養も吸収されやすくなります。
②食べすぎ防止/よく噛むことで「お腹いっぱい」というサインが脳に届きやすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます。目安は「ひと口30回」です。
③脳を元気に/噛むことで脳が刺激され、記憶力や集中力アップにもつながるといわれています。
④唾液がたくさん出る/噛むほどに唾液が出てきます。唾液にはばい菌を抑える力や消化を助ける働きがあり、むし歯予防やお口の健康に役立ちます。
⑤ストレスをやわらげる/リズムよく噛むことで「幸せホルモン(セロトニン)」が出
やすくなり、気持ちが落ち着く効果も期待できます。
お子さんにとっての大切さ
①顎や歯並びの発育/よく噛む習慣を身につけると、顎やまわりの筋肉がしっかり鍛えられます。その結果、正常な歯並びが育ち、噛み合わせも良くなります。
②味覚の発達/食べ物をよく噛むことで、舌にある“味を感じるセンサー(味蕾)”に刺激が伝わりやすくなります。これが味覚の発育を助け、食事をよりおいしく楽しめるようになります。
③運動能力の向上/しっかり噛める力や正しい歯並び・噛み合わせは、体のバランスや力の発揮にも関わっています。そのため運動能力やスポーツのパフォーマンスを高める効果も期待できます。

噛むことは、毎日の食事の中でできる「お金のかからない小さな健康習慣」です。今日の食事から、ちょっと意識してみませんか?


