お口の中の話
2021/02/26

歯石とは、どんなもの?

歯垢が石灰化して硬くなったものを歯石と言います。歯石はその名前の通り石のように硬いため、一度歯に付いてしまうと歯ブラシでは取れません。また歯石の表面はデコボコしているため、そこにさらに歯垢が付いて歯ぐきが炎症を起こし、歯周病の原因となってしまうこともあります。

歯石には2種類ある

歯石は付着した場所により、大きく「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」と、「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」に分けられます。
歯の表面に付着した「歯肉縁上歯石」は白~黄色っぽい色ですが、歯と歯ぐきの間の歯周ポケット内に付着する「歯肉縁下歯石」は、古い歯石で酸素を嫌います。その為発酵が進み黒っぽい褐色で、歯肉縁上歯石よりも硬く除去しにくいのが特徴です。

 

歯石がつきやすい場所は?

だ液の主な出口がある「上あごの奥歯の外側(頬側)」「下あごの前歯の内側(舌側)」付近などは、特に歯石がつきやすい場所です。歯磨きをする際にはこれらの箇所を特に意識し、歯垢がたまらないようによく磨いて歯石の付着を予防しましょう。
また、金属冠や義歯が装着されている場合には、その装置の境界部に汚れが沈着しやすくなるのでより一層の注意が必要となります。特に、義歯は歯石の沈着によって適合性が変化することがあるので気をつけましょう。

なぜ歯石はよくないの?

歯石自体が悪さをすることはありませんが、歯肉縁下歯石を放置していると歯ぐきが炎症を起こし、常に小さな出血が口の中で続いている状態になります。一部の歯周病菌は、この血液成分を栄養として毒素を出します。この毒素が歯周病を進行させるだけでなく、血液に乗って全身を周り、心筋梗塞・糖尿病・アルツハイマー病などのリスクファクターとなると言われています。