お口の中の話
2019/01/31

バイオフィルムとは?

「バイオフィルム」とは日本語にすると”菌膜”です。
私たちの歯と歯ぐきの間にたまる歯垢(プラーク)はバイオフィルムの一種です。歯垢は食後8時間程度でできる、歯の表面についた白っぽくネバネバした微生物の塊のことです。この歯垢の中にむし歯や歯周病の原因となる菌がひしめいているのです。

バイオフィルムはお口の中にどんな影響がある?

お口の中には常に400~500種類の細菌が存在しています。
その中でとくに歯周病原菌は、歯肉溝(歯と歯ぐきの境目)のなかで増殖すると歯周ポケットができ、放置してしまうと歯肉が腫れ歯槽骨を溶かしてしまいます。
歯周病にかかっている方と健康な方の歯周ポケットでは、バイオフィルム内の菌の種類が大きく異なります。
歯周病の方のバイオフィルム内では歯周病菌が爆発的に増加していますのでこれを取り除き、歯周病菌の少ない新しいバイオフィルムが形成されるようにしていかなくてはなりません。
健康な歯肉溝ではバイオフィルム内のほとんどが常在菌であり、歯周病にかかる心配はありません。しかし、成人型歯周炎にかかっている方のバイオフィルムには歯周病の原因菌が多数を占めています。
このように「健康な歯肉溝」と「歯周病の歯周ポケット内のバイオフィルム」には大きな違いがあります。歯周病にかかった歯肉を健康なものに戻すためには、これらの菌の数を減らさなければなりません。

特効薬ってあるの?

バイオフィルムは、いわば「ネバネバしたドームの中に菌が守られている状態」ですので、例えば表面に抗菌薬を塗ったとしても効果がありません。
このドームを取り除くには、やはり毎日のお口のケアが重要です。歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを使って歯垢を取り除きましょう。
また、定期的に歯科医院でクリーニングをしてもらうことも大変効果的です。
ご自分の毎日の丁寧な歯みがきと、定期的なプロによるクリーニングで確実にバイオフィルムを除去することが、むし歯や歯周病の予防につながります。