こどもの話
2018/11/30

子どものむし歯は親からうつる?

生まれたばかりの赤ちゃんは、口の中にはむし歯菌がいません。
一般に、子どもの常在菌(普段は病気をおこさない菌で多くの人の体内に共通して存在する)は周囲からうつり、定着したものです。
そしてむし歯の原因となる「ミュータンス菌」も、食べものや食具(おはしやスプーンなど)を介してまわりの人から伝播されるものと考えられます。
つまり、もっとも身近で世話をしている人から菌がうつりやすいのです。
ただし、ミュータンス菌が口の中に定着するにはお砂糖(スクロース)の存在が必要なので、ミュータンス菌がうつっただけではむし歯はできません。

むし歯のなりやすさは3歳までに決まる?

家族がミュータンス菌(むし歯菌)を一定の数以上をもっていると、子どもへの感染率は高くなります。
菌の数が少ない家族と比べると、その差は数倍以上にもなるといわれています。
さらに3歳までにむし歯菌に感染して菌が増えると、その後のむし歯になる割合が上がることもわかっています。
そのため、子どもが3歳になる頃までは家族のお口の状態が子どもに大きく関係します。

むし歯菌を増やさないためには、歯を溶かす酸を作り出す「歯垢」を溜めない、むし歯菌のエサとなるショ糖(お菓子やジュースに含まれる)を摂りすぎないよう心がけましょう。
菌をまったく無くすことはできませんが、3歳ぐらいまではできるだけ家族みんなで減らすようにしてください。
そして、むし歯ができてしまったら早めに治療しましょう。

引用元:
親と子の健やかな育ちに寄り添う乳幼児の口と歯の健診ガイド 第2版 医歯薬出版(株)発行
歯と体の発達に合わせた赤ちゃんと幼児のごはん0~3歳 婦人之友者社発行