お口の中の話
2022/08/26

むし歯のメカニズム

むし歯とは、プラーク(歯垢)の中にすみついている「むし歯菌」が食べ物や飲み物に含まれる糖質をエサにして作る「酸」によって歯が溶かされ、穴が空いてしまう疾患のことを言います。
口内細菌の種類には個人差がありますが、ほとんどの人の口内にはむし歯菌が潜んでいます。

むし歯の主な原因菌はミュータンス菌と呼ばれるもので、糖質をエサにしてネバネバした水に溶けにくい「グルカン」という物質を作り、歯の表面に付着します。このグルカンは粘着性が強いので、多くの細菌がくっつき合い大きなかたまりに成長していきます。これがプラーク(歯垢)です。
ミュータンス菌は、プラークの中で糖質を分解して「酸」を作ります。この酸によって歯の表面のカルシウムが溶け出し、やがてむし歯ができます。

むし歯になりやすい人は?

むし歯菌が酸を作りやすいような口内環境の人はむし歯になりがちです。
例えば、甘いお菓子などの間食をたびたび摂る人は、プラーク中の細菌の活動が盛んになり、酸も多く作られてしまいます。
また、歯磨きが充分でない人はプラークをうまく除去できず、細菌が増え、酸によって歯が溶ける時間が長くなってしまいます。口呼吸の人も口内が乾燥し、むし歯菌にとって都合の良い環境になります。