お口の中の話
2020/07/27

顎関節症はなぜ起きるの?

私たちの口は複雑な形状と多くの機能を持っていますが、特に下顎は筋肉と関節、神経が集中しています。食事や会話の際にはそれらが連動して機能しますが、この下顎の関節やその周辺部分に痛みが出たり動かしにくくなったりするのが顎関節症です。
顎関節症は様々な要因が積み重なることによって引き起こされます。

顎関節症の症状

・アゴの関節が痛い
・大きく口が開けられない
・口を開くと「カクッ」「ゴリッ」という音がする
これらが顎関節症の典型的な症状です。さらに症状が悪化すると、口を開けようとしなくてもアゴの関節、頬やコメカミなどの筋肉が痛み出します。さらに腕や指のしびれ・めまい・片頭痛・首や肩、背中の痛み・腰痛・肩凝りなどのほか、目・耳・鼻・歯・舌などに不快感や違和感を覚えるようになることもあります。

 

その要因は?

顎関節症の発症メカニズムについてはまだ不明な点が多く、様々な要因が組み合わさることによって症状が起こると考えられています。
また、男性より若い女性が多く発症する傾向があり、その原因は女性の方が男性に比べ骨格や筋肉が弱いためと言われています。
・歯ぎしりや食いしばり癖がある
・片側に偏った噛み癖
・常に上下の歯を接触させている(TCH)
・歯を抜いたままにしている
・噛み合わせが悪い
・ストレスや外傷
・スマートフォンやパソコンの長時間使用
・入れ歯などがよく合っていない

 

顎関節症の治療法

自然に症状が消えてしまう場合もありますが、痛くて物が食べられないなどという場合は歯科医師に相談してください。
症状によって治療法は違いますが、一般的にはスプリント(マウスピースのような歯列に被せるプラスチックの装置)を使用して、噛みしめたときの顎関節や咀嚼筋への負担を軽減させる治療を行います。痛みが強い場合は、消炎鎮痛薬を使用することもあります。