予防の話
2018/11/07

口から始めるメタボ対策

メタボと略される「メタボリックシンドローム」は、内臓脂肪の蓄積が主体で、動脈硬化や糖尿病につながる生活習慣病を引き起こすようです。
現在メタボの診断基準では内臓脂肪の蓄積が必須条件で、腹囲(へその高さでの腹周り)が男性で85センチメートル以上、女性で90センチメートル以上とされています。
そして、血圧、空腹時血糖、血中脂質(中性脂肪、HDLコレステロール)のうち、二項目以上に異常が認められるとメタボと認定されます。

メタボや肥満のある人には、歯周病がひどくなる傾向があります。
具体的には、歯ぐきがよく腫れていることがあり、また、血糖値の高い人では歯の数が早く減ること、歯周病が早く進むことが分かっています。
腫れている歯ぐきを改善すると、血糖値が下がることもあります。
逆に、血糖値が改善すると歯周病が軽減してくることもみられます。

歯の数によって食べられるものは変化していく

肥満解消への一番のお勧めは、食べ方の改善です。
しっかり噛んで食べることで満腹感が早く生まれ、食べる量の減少と全身の筋肉を使うエネルギー消費につながります。
食物は歯でかみ砕かれ、唾液をはじめ多くの消化酵素や胃腸の働きで消化されて、少しずつ吸収されます。
しかし、砂糖のように消化が不要な食材は、すぐに血液内に運ばれるので満腹感も少なく、体に多くの負担がかかってしまいます。

噛むために必要なものは健康な口で、歯並びやかみ合わせが大切です。
歯が抜けていたり、ぐらついていたりするのも好ましくありません。
きれいにかみ合っていないと効率が悪くなりますし、歯が少ないと食べられるものにも限りが出てきます。
「噛む」という行動は、小さいころから培われてきた基本的な生活習慣です。
子どもにしっかり噛ませるためには”良い手本”を周囲の大人が見せることが大切です。
食材を選んだり調理方法を考えたりして、たくさん噛む習慣をつけましょう。
これが将来のメタボ予防につながります。

引用元:
口から始めるアンチエイジング 中道哲著 保育社刊