こわ〜いタバコのはなし




 皆さんは歯周病にかかりやすい最大の因子は喫煙習慣であることをご存知ですか?  

 タバコの煙のなかには、2000種類を超える有害物質が存在するといわれています。
 大きく分けてタール、ベンツピレンなどの発ガン性物質、窒素酸化物、一酸化炭素、ニコチン、アンモニアです。もっともよく知られているニコチンは、血管を収縮させることにより歯周組織の傷を治す能力が低下すると考えられます。この作用は高血圧、脳梗塞、心筋梗塞などの原因にもなります。ニコチンによって免疫能力が低下することも確認されています。また、ニコチンは白血球が異物を処理する能力組織を破壊する能力にも影響することが知られています。
 歯ぐきの組織に侵入した細菌などの異物を食べる白血球の能力がおとろえ、一方では歯ぐきの組織を破壊する白血球の作用を助長するのです。外から侵入する細菌とからだがたえず接する口の粘膜のさまざまな抵抗力を低下させると考えてよいでしょう。そもそもニコチンという物質は猛毒で、タバコ3本分のニコチンで大人1人を殺すことができるのですから。


 タバコを吸っている人の口は、あたりまえのことですが独特の口臭がします。ある歯科衛生士によると、男の人はともかく女性の喫煙者はとくに臭うそうです。これは根拠のない印象かもしれません。ただ、日本では男性の61パーセント、女性の14パーセントがタバコを吸う習慣をもっています。
 女性の喫煙者は年々微増、男性は減少傾向にありますが、驚くのは男性の喫煙率の高さです。欧米諸国にくらべると、日本の男性のタバコ好きはきわだっています。米国の30パーセント、英国の36パーセントという数字と比較すると、日本人男性は無類の喫煙民族といってもよいでしょう。
 タバコが、からだによくないことはだれでも知っています。常識のある人であれば、その臭いと煙が他人に迷惑をかけるだけでなく、その副流煙(タバコが燃えて出る煙)に発ガン性が高い物質のあることも知っています。肺ガン、食道ガン、脳卒中、心筋梗塞など、喫煙は無数の病気に関係しています。
  一日20本以上タバコを吸うヘビースモーカーが肺ガンになる危険度は、男性で非喫煙者の10.5倍、女性では27.1倍にのぼります。タバコの害が強調されて、最近はニコチンやタールの少ない「軽い」タバコがはやっています。
 しかし、軽いタバコでも一酸化炭素の量は同じです。軽いタバコはかえって吸う本数が増える傾向にあり、心臓血管病の危険は変わりません。とにかく本数を減らすことが大事ですが、一日5本の喫煙でさえ、肺ガンの死亡率は2倍以上になり、心臓病の死亡率も高くなります
 タバコは習慣になると、なかなかやめられなくなります。吸いはじめるきっかけは、ほんの軽い気持ちです。若者はかっこよさのため、女性はやせるために吸いはじめたりしますが、習慣化する前に早く禁煙に踏み切りましょう。


参考文献:20歳からの歯周病対策 熊谷崇著 講談社刊