“出っ歯”について考える

 欧米人に比べて多い出っ歯

 欧米人と比べると、日本人には歯が前に突き出している人が多いようです。 日本人の頭を上から見ると、奥行きが短く幅が広い形をしています。これがモ ンゴル系民族の特徴です。
 ところが、歯の数や大きさには民族間の差があまりありません。そのため日本人を含む多くのモンゴル系の人種は、生えてきた永久歯が顎に納まりきらず に歯並びの悪い乱杭(らんぐい)になったり、前へ飛び出すといったことが起こり やすいのです。

“出っ歯”の見分け方

 でも、どこまでが普通で、どこからが出過ぎかというのは少し分かりにくい ですよね。

目安として、まず鼻の一番てっぺんと、顎の先に定規を当ててみて ください(図1)。上下の唇が軽く定規に触れる程度であれば問題ありません。唇 が深く定規に食い込むようであったり、唇が邪魔で二ヵ所同時に定規をあてが うことができないようだと“出っ歯”の可能性ありです(ただし、この測り方は 鼻が低かったり、下顎のとんがりが小さい人の場合は当てはまりません)。

出っ歯の見分け方

 次に、唇を閉じた時に下唇の少し下あたりにシワができていないか見てくだ さい(図2)。ここにシワができるのは、歯が出ているため、少し力を入れないと 唇が閉じられないことによるものです。

つらい時は矯正治療を

 歯が出ているのはあまり格好いいものではないですよね。でも、果たして格 好だけの問題でしょうか。リラックスしているときに、歯がじゃまで唇が少し 開いた状態になってしまうと、とくに鼻づまりでなくても口で呼吸しがちにな ってしまいます。口の中の粘膜は、唾液で湿っている状態のときに正常な抵抗 力を発揮することができます。しかし口で呼吸しているとどうしても乾燥しが ちで、抵抗力が落ち、特に歯槽膿漏などになりやすくなってしまいます。

 また、鼻は空気中の異物を鼻毛で取り除くだけでなく、吸い込んだ空気に適 当な湿り気と温もりをを与える重要な役目を果たしています。ところが、口で 呼吸をすると、冷たい乾燥した外気が直接肺に入っていくので、肺にとっても よくありません。

 もちろん、耳鼻科的な病気、例えば蓄膿(ちくのう)などで口呼吸を余儀な くされる場合は、その治療が必要ですが、“出っ歯”のために歯ぐきや肺につら い思いをさせていることもあるのです。思い当たる方は矯正治療を考えてみて はいかがでしょうか。

 

参考文献: いい歯健康法 春夏秋冬 かもがわ出版刊 大阪府歯科保険医協会