「審美歯科」のおはなし

 日本人は欧米人と比較して、歯には関心が低い国といわれています。表面的なところだけをきれいにして、見えにくい部分をおろそかにするのは日本人の国民性かもしれません。

 アメリカで歯並びが乱れていたり、歯がきたなかったりすると社会的に認められません。ですから多くの子どもが歯科矯正(きょうせい)を受けています。テレビや映画に登場する政治家や役者に八重歯(やえば)があったり、歯が黒かったりすることはありません。最近では日本でもテレビや雑誌などで「歯」に関する情報にをとりあげることが多くなり、歯に対しての関心がだいぶ高まってきました。

 「審美」(しんび)というと「エステ」、「美容整形」というイメージがありますが、矯正は外見だけの問題ではありません。

 歯列を整えることにより、咬合(咬み合わせ)も良好になりますし、清掃もしやすくなります。 また、不幸にして歯に着色があったり、むし歯があって見た目がよくないと、精神的な負担にもなる場合があります。

 「歯をきれいにしたい」と、歯科医院を訪れる患者さんの多くは、気になって大きな口を開けて笑えないと言います。

 歯が生えた後に生じた着色であれば多くの場合、除去することができます。しかし歯そのものの着色や変色、むし歯による審美不良では、なんらかの人工物に置き換えることになります。

Q.審美治療に保険はきくの?
A.歯の病気を治療するという行為が伴っていない場合、保険はきかず、「自由診療」となります。ですから、歯を白くしたり形を整えたりという審美治療は、美しさを追求する目的と考えられ保険がききません。現在の保険制度では、保険がきく治療には「美しさ」という点での限界があります。たとえば、ムシ歯の穴を埋めるという治療でも、レジン(プラスチック)や金属を使用する場合は保険がききますが、セラミックなどは保険がききません。レジンは時間がたつと変色することがありますが、保険のきかないセラミックなどは変色の心配はなく、本物の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりです

Q.「歯磨き剤」を使ったほうが歯は白くなるの?  
A.手を洗う場合、石鹸で洗うのと水洗いでは、汚れの取れ方がかなり異なりますが、歯磨き剤にはこれほど劇的な効果はありません。ただし歯磨き剤には中に含まれる研磨剤(けんまざい)により、普段の生活でついてしまう色素(茶渋やヤニ)を取る効果があります。ですから色素がついていない歯は、歯磨き剤を使ってもこれ以上白くなるわけではありません。

 

参考文献: 歯と口の健康百科 医師薬出版(株)刊