歯科医院からもらう薬の基礎知識

 最近では、治療の後に処方された薬が何であるのか情報を提供している歯科医院も増えてきました。患者さんにとっては安心ですよね。しかしその薬も有効、かつ安全に作用させるには基本的な知識も必要です。今回は薬の基礎知識についてのお話しです。

1.薬の保存と有効期限
薬の保存には温度(冷蔵保存→4℃、冷所保存→15℃、室温保存→1〜30℃)や光(暗所保存ないし遮光保存)に十分注意して保存します。また、薬の有効期限は守らなければなりません。

有効期限以内でも保存の仕方により、効力が落ちることがあります。 シロップ剤としたものは冷蔵庫内でも長く保存できないので注意しましょう。 味つけした小児用薬剤は子供が勝手に多量服用する恐れがあるので必ず子供の手の届かないところにおきましょう。

2.薬はいつ飲む?
食前とは?:食事の約30分前に服用します。たとえば、経口糖尿病薬は食事による血糖値の上昇を下げるために食前に服用します。したがって、薬を飲んだけれど、都合により食事をしないというのは低血糖となってよくありません。
食後とは?:食事を終えてから約30分以内、すなわち、空腹時では胃への刺激が大きいので胃内容物がある時に服用します。したがって、食後30分待つ必要はありません。胃への障害性の強い抗炎症薬その他多くの薬にあてはまります。
食間とは?:食後約2時間後、すなわち、胃や小腸に食物がほとんど無い状態で、薬の吸収が良くなります。刺激性の少ない漢方薬に多い服用方法です。

ある時間間隔:たとえば6時間おきに服用。この場合、特に薬の血中濃度を一定に保ちたい場合で、抗不整脈薬や抗生物質などです。
 いずれにしても用法、用量は守って飲まなければなりません。飲んだり飲まなかったりでは、困ります。たとえば、抗生物質がやっと抗菌作用を現しているときに飲み忘れて薬の濃度が下がり、再び菌が増殖したのでは何にもなりません。また、飲み忘れたからと言って、1度に2回分飲むなどはもってのほかです。飲み忘れたと気づいたらその時服用し、時間をずらしてもとのペースに戻しましょう。

3.アルコール
 薬を服用中にお酒を飲んでもいいかどうか?気になるところです。一般に、アルコールは多くの薬の作用に影響します。
 特にいけないのはお酒と中枢に作用する薬で、精神安定剤や睡眠薬がこれにあたります。抗ヒスタミン薬では眠気、かぜ薬では眠気やふらつき、解熱鎮痛薬では嘔吐や胃痛が強くあらわれます。セフェム系の抗生物質の中には、アルコールの分解を抑え、悪酔いや二日酔いの原因になることがあります。
 抜歯後などでの飲酒は炎症がひどくなり薬の効果がうすれ痛みが増します。
 ここは一番お酒はがまんしましょう。


参考文献: 歯科医院で使う薬の安心マニュアル 医師約出版株式会社 刊