〜年に一度は受けたいPMTC〜

歯の維持は長寿に通ず」。歯の健康は全身の健康にも大きく関わりがあります。では歯を守るためにはどうしたらよいのでしょうか。まずはむし歯菌の温床となっているバイオフィルムを徹底的に除去することです。
ただし、バイオフィルムは歯ブラシで歯を磨いた程度ではとりきれません。きちんととるには専門家の手を借りるしかありません。

●歯の汚れを徹底的にとるPMTC
皆さんは、PMTCという方法をご存知でしょうか? 初めて耳にする人が多いかもしれませんが、PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トウース・クリーニングの略。翻訳すると、プロによる機械的な歯の清掃といったところでしょうか。

歯科衛生士や歯科医師による歯と歯茎の徹底したクリーニングのことです。歯のクリーニングというと、歯を白くするとか、歯の美容をイメージするかもしれませんが、それとは違います。

いまから10年ほど前、スウェーデンのアクセルソン博士が、歯と歯の隣接面にむし歯が多いことに着目し、それまでの回転ブラシではなく、縦に動くブラシを開発しました。
博士は、さらにいろいろな器具を使って機械的に歯と歯の間をはじめ、歯の表面や歯茎を徹底的にきれいにする方法を開発しました。
それがPMTCです。この方法は、歯科医だけではなく、歯科衛生士を養成する学校でも、現在、授業として取り入れています。
PMTCを行うことによってバイオフィルムが取り除かれれば、口の中の悪い菌の巣窟をなくすことができます。むし歯や歯周病を予防したり、改善したりすることができるようになるのです。

●PMTCの手順

  1. 研磨剤の注入または塗布
  2. 歯と歯の隣接面の清掃と研磨
  3. 歯の頬舌側面・咬合面の清掃と研磨
  4. 歯面洗浄(歯周ポケット内洗浄)
  5. フッ素塗布

この手順はすべての人に同じやり方がとられるわけではなく、一人ひとりの状態に応じた器具や方法を選択して行われます。

PMTCにかかる時間は、だいたい1時間ぐらいですが、歯の汚れ具合によって違ってきます。2回に分けて行うこともあります。痛みはまったくといっていいくらいありません。定期的に行うようになると、時間も短時間ですみますし、かかりつけの歯科衛生士が決まっていれば、不安感もなく、ゆったりとした気分で受けられます。

このPMTCは、できれば半年に1度、少なくとも1年に1回は受けることが理想です。1度でも受けてみるとわかりますが、とても気持ちのよいものです。舌で歯の表面を触ってみると、つるつるしています。歯の表面の薄汚れた感じもなくなり、歯も白くなります。長い間手入れをしていなかった人は、歯と歯の間がすいてしまうかもしれません。それはつまり、それだけバイオフィルムがついていた証拠。そのままにしておいたら、確実に歯を失うことになっていたでしょう。

PMTCを受けた人は、その後、歯と歯の間も掃除しやすくなります。口の中がすっきりして、口臭もなくなり、この状態を保ちたいと思うようになるはずです。

また、PMTCを受けるときには、歯科衛生士が歯磨きの仕方についても指導してくれます。そのため、これを繰り返していくうちに、磨き残しが少なくなり、バイオフィルムのつき方も減ってきます。歯茎もピンク色になってきて、しっかり締まってきたのを実感するはずです。

参考文献・オトナこそ歯が命 花田信弘著 小学館刊・TAISHUKAN'S GENIUS・はじめての歯みがきレッスン