不眠に悩まされた時の手軽な治療法

「夜、なかなか眠れない」「眠りが浅い」「夜中に目が覚めて、そのあと眠れない」「朝早く目が覚めてしまう」といった不眠に悩まされている人は、思いのほか多いものです。なかでも多いのは、心身のストレスの蓄積が引き金になって、自律神経のバランスがくずれ、それが原因で起こる不眠症です。

 私たちの体は、体のすみずみまで張りめぐらされた自律神経の働きによって、内外の変化に応じて、いちばん適切な状態になるようにコントロールされています。自律神経には、内臓や器官の機能を促進させる交感神経と、抑制する副交感神経の二種類があります。正常な状態なら、日中、起きて活動しているときには、交感神経のほうが強く働き、夜、眠っている間は、副交感神経の方が強く働きます。  

 この二つの自律神経のバランスがくずれると、夜になっても、交感神経のほうが強く働き、体の機能が興奮しすぎて眠れなくなってしまうのです。
 このタイプの不眠症を治すのには、さまざまな対症療法や治療法がありますが、要は、夜になったら、副交感神経の働きのほうが強くなるようにすればいいわけです。いちばん手軽な対症療法は、唾液がたっぷり出るように、噛みごたえのあるものをよく噛むことです。
 唾液の分泌は、噛むことによって唾液腺が刺激されると促進されます。唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺などがありますが、実はこれらすべてが副交感神経の通 り道にあたるのです。したがって、唾液がたっぷり出るように唾液腺を刺激してやれば、副交感神経も適度に刺激され、活発に働けるようになります。
 夜、よく眠れない人は、夕飯の献立に、噛みごたえのあるものを加えて、ゆっくり噛んで食べてみるとよいでしょう。皮つきリンゴを一個丸かじりするというのも、いい方法です。


参考文献:歯の不思議サイエンス ダイヤモンド社刊